シナモン(肉桂)はこだわりの自家製粉
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使用しているシナモン(肉桂)は自家製粉です
シナモンは香りが命。香りを大切にするなら挽きたてが一番。
飯島商店で使用しているシナモンは、ジャムを作る直前に、自分たちで挽いています。自家製粉は手間暇かかりますが、市販のシナモンパウダーとは香りの華やかさが桁違いですので、美味しさにこだわるなら絶対に挽きたての自家製粉なのです。
でも、飯島商店がこだわっているのは「挽きたての自家製粉」ということだけではありません。「挽き方」にも徹底的にこだわっているのです。
スパイスの色々な挽き方
シナモンをはじめとして、コショウにしてもターメリックにしても、スパイスは製粉機(ミル)にかけて挽いて粉にしないことには使えません。実はその「挽き方」に色々あって、それぞれの方式にメリットとデメリットがあるのはご存知でしょうか?
一般的なスパイスを挽く方法としては、グラインドミル(石臼やコーヒーミルのように、ヤスリ状のものですり潰す方式です)、ハンマーミル(ハンマー状のものがついた円筒を回転させて、対象物を衝撃や摩擦によって粉砕する方式です)、スタンプミル(餅つきのような動作で、杵と臼とで対象物をついて叩き潰す方式です)、 を使って挽いています。
たとえば、ご家庭にあるペッパーミルはグラインドミルの一種です。
さて、それぞれの方式のメリットとデメリットです。
製粉速度としてはグラインドミルやハンマーミルが速くて大量生産に向き、スタンプミルは時間がかかります。
しかし、スパイスの香気成分は熱に弱く、グラインドミルやハンマーミルのような摩擦熱が大量に発生する方式ではすぐに香りが劣化してしまいます。 反面、スタンプミルも摩擦熱は発生しますが、その発生量は比較的低いものとなります。
ですので、ちょっとこだわった高級スパイス、というとスタンプミルで挽いたものとなるのです。
幻のボールミル方式へのこだわり
一方、飯島商店でのシナモンは、スパイスの挽き方として一般的には使われていないボールミルという方式を使っています。 ボールミル方式は、壺のようなセラミックの容器にたくさんのセラミックボールを入れ、容器を回すことによってボールがシナモンにぶつかって徐々にパウダー状になって行く仕組みです。
この方式は、摩擦熱の発生がほとんど無く、キメの細かいパウダーにすることができますので、あらゆる方式の中で最高級の挽き方としてスパイス専門家の間で知られています。 しかし、スタンプミルよりもさらに製粉時間が長くかかるため、理論的には最高だと分かっていても普通は手が出せない、幻の挽き方なのです。
飯島商店のシナモンはあえてそのボールミルを使い、いかに非効率で非生産的であったとしてもそれを顧みず、ひたすらに最高品質の実現だけを追求しているのです。
ボールミルによる自家製粉の流れ
セラミックの壺の中に、たくさんのセラミックボールが入っています。この中に粗く砕いだ桂皮(シナモンの元になる木の皮です)を入れます。
壺の蓋を閉めて、回転させます。1日かかってボールとこすれ合うことによって、ゆっくりと桂皮がシナモンパウダーへと姿を変えて行きます。
最後に目の細かいふるいを通して、きめ細かいシナモンパウダーに仕上がります。これをその日のうちに使って、香り高いシナモン入りジャムに仕上げています。